生きづらさとは一体なんでしょうか?
「生きづらい」と感じることはあっても、その理由が明確にはなりませんよね。
もちろん人によって「生きづらさ」を感じる理由は様々な理由があると思いますが、主にこんなことで生きづらさを感じていらっしゃる方が多いと感じることについてと、解決するために必要な原因やプロセスを考えてみましょう。
「生きづらさ」を感じる理由
生きづらいと感じる時、私たちに何が起きているのでしょうか?
ものすごく荒っぽく言えば、「思った通りに生きられない」ということになるのではないかな。と私は思います。
つまり自分が望んだ方向に自分が向いていかない。あるいは周りや環境がそうなってくれない。という事が起きているんだと思います。そして、それを自分の問題として捉えている時、とても深い辛さを感じてしまうのではないでしょうか?
例えば、仕事というのは人生の3分の1程度の時間を過ごす場所です。その仕事で上手くいかないことを感じれば辛いですよね。
人間関係の問題、能力の問題、金銭的な問題、仕事と言ってもその人によって悩み方は変わってきます。
Aさんは「上司とのソリが合わず、いつもビクビクしてしまう。」という事を悩まれている。
Bさんは「全然仕事が上達しないと感じていて、周りに迷惑を掛けている」と感じて落ち込む日々を過ごしている。
Cさんは「周りの人よりも多く仕事を任されているのに、お給料がいつまでも上げてもらえない」と憤っている。
人によって「生きづらさ」はそれぞれであっても、自分の思う通りに生きられていないことに人は「生きづらさ」という表現を使うのではないかと思います。そして思った通りに生きられないことだけではなく、その原因を自分に向けていると、とても辛くなってしまいます。上記に挙げた方達は希望通りにならないのは、「自分の何か」がいけないからだ。と考えてしまうからです。
上司とソリが合わないのも、能力が低いと感じるのも、お給料が上がらないのも、ご自身の問題ではないこともたくさんあります。例えばAさんの上司とソリが合わないのは、Aさんの存在に問題があるのではなく、その上司がAさんを好きになれない。ことに理由がある場合は、もうどうにもならない問題を解決しようとしているのです。
なぜなら、人の気持ちを変えることは出来ないからです。
確かにAさん自身が乗り越える問題もあるのですが、上司に好かれようとすればする程。この場合は上手くいかなくなります。
人間関係が上手くいかないと感じている場合
上手くいかせようとすればする程に上手くいかなくなることがあります。それを努力逆転の法則と言います。
努力逆転の法則とは、そうしようとすればする程にそうならなくなる潜在意識の仕組みのことです。
先ほどのAさんは、なんとか上司に好かれようと思えば思うほどにビクビクしてしまい。ますます上司に嫌われてしまったそうです。
初めのうちは、Aさんに笑顔で話しかけてくることもあった上司も、最近ではいつもイライラしているように見えるそうです。
あなたも経験があるのではないでしょうか?
「明日、遠足だから早く寝なきゃ!」と思えば思うほどに、眠れなくなるという事を一度や二度体験されたことがあることと思います。まさにこれが努力逆転の法則です。
そうしようとすればする程にそうならないのは、潜在意識は前提が「何か」ということが関係しています。
寝よう寝ようとする時の前提は「眠れない」になってしまっています。
眠くて眠くて仕方ない時に、寝よう寝ようとは思わないですし、寝よう寝ようと考えている時はイメージの中で寝ている自分ではなく眠れていない自分をイメージしてしまうものです。
そうなんです。この前提を変えると上手くいくこともあります。Aさんは好かれようとすればする程に上手くいかなかった。なので、「好かれよう」とすることを止める必要があるんですね。
好かれようと思っているということは前提が「嫌われる。」あるいは「嫌われている」となってしまっているのです。
なので、私は人に受け入れられる存在!と、自己肯定感を高めてあげるか、もう嫌われてもいいや。と問題そのものを手放すことをすると、上司とソリが合わないことに捉われなくなることがあります。
自己肯定感とは、私は自分を信じる力のことだと思っていて、自分を信じるには、ありのままの自分を信頼する必要があります。ありのままの自分とは上手くいっている時も、上手くいかない時も自分を信じることだと思っていて、誰かに好かれていても嫌われても自分の価値が変わらないと自分を肯定することだと思っています。
相手に嫌われるのは、相手の何か理由があって私の問題ではない。私は私のままでOKだと自分に対しての攻撃を止めることです。
その人に好かれても、好かれなくても自分は自分のままでいい。嫌う人は私がどんな事をしていても嫌うし、好きでいてくれている人は、どんな私でも肯定的にみてくれている。だとしたら、私の問題ではなく、相手の好みでないだけで、私自体に何か問題があるわけではない。と捉える事です。
例えば、焼き鳥の塩味とたれ味があって、塩味が好きな人がタレ味の批判をしていたとしても、タレ味の焼き鳥が悪いわけではありませんよね(笑)
好みの問題だから、自分は自分のままであっていいわけです。
ですが、この話を聞いても、強い恐れがある場合や好かれたことがない。と感じている場合はトラウマ(心の傷)を抱えている場合がありますので、トラウマが絡んでいる場合は、トラウマの解消をされることで解決する事がありますので、先ずは、いつからその問題が起きているのかを探ってみることをお勧めいたします。
トラウマではない場合は、自分を信頼することと、努力逆転の法則を解消することでお悩みから解放される事でしょう。
トラウマの場合は、お一人で解決されるのが難しい場合があります。なぜなら、自分の傷を自分で癒すことはとても難しいのです。
心は目に見えないので、分かりづらいとは思いますが、自分では対処できないな。と感じた時に専門家に頼れることは、自分を大切にしているということですから、とても素晴らしいことだと思います。
能力がないと感じている場合
自分は何をしても上手くいかない。周りと同じように出来ない。いつも他人に迷惑を掛けてしまう。と感じているBさんのケースでは、大きく分けて3つの原因があるかと思います。
まず1つ目、能力に合わない仕事を選択している。というケースです。
人には得て不得手があります。みんながみんな料理が得意なわけではないですし、みんながみんな数学が得意なわけではありません。
私は、料理は苦手だけどお裁縫なら任せて!とか、料理は苦手だけどお掃除は好き!とか、家事というカテゴリーの中でも得意と不得意があったりします。学校の授業というカテゴリーでもそうですよね。
同じように見えることでも、細かくするとこれは得意だけど、これは得意じゃない。ということがあります。その得意じゃないことをしている時、人はストレスを感じやすくなり、ストレスが溜まると本来の能力を使えなくなり、自分に自信がなくなってしまうことが起きたりします。
その場合は、自分に合ったお仕事を選ぶ方が自分にも優しいですし、周りの役にも立てる事が増えるのではないでしょうか。
そして、2つ目にトラウマ(心の傷)が絡んでいる場合も実はあります。
Bさんはそのタイプでした。以前仕事で失敗をしてしまった事があって、その時に「お前はみんなに迷惑をかける存在だ」と上司に言われたそうです。
そのトラウマを解決するためにカウンセリングをしていくと、実はBさんのトラウマになっているのは上司の言葉ではなく、仕事をしている時にものすごく大きな焦りと不安を抱えていた事がトラウマポイントだったのです。
効果的な質問をする事で、ご自身でも気づかなかったことに気づくことが出来たことで、Bさんは焦りと不安の中で自分で自分に攻撃していたことを知り、自分と仲直りすることが出来て、自信を取り戻され仕事のモチベーションが上がったとのことです。
3つ目の原因ですが、Bさんは、ストレスが多く溜まってしまっていたのもあり、ストレスを多く溜め込み過ぎてしまうと、人は自分に自信を持つことが難しくなり、自分本来の持つ能力を発揮することが難しくなることがあります。
Bさんのようにトラウマとストレスケアが必要な方も多くいらっしゃるのです。
このストレスケアをしないまま放置してしまうと、うつ的な症状が出てきてしまい心身にとても大きな負担が掛かることになってしまうのです。
現代人は多くのストレスと闘いながら生きています。その分ホルモンが多く必要になり、脳が興奮状態のまま止まってしまい、ストレス耐性ホルモンであるコルチゾールの枯渇により、慢性的な疲労感を感じてしまうことがあるのです。
ストレスと上手く付き合っていく方法は、次のCさんのケースにヒントを載せてあります。
上司が自分を認めてくれない
Cさんのお悩みは、人より多く仕事をしているのに上司が認めてくれない。というお悩みでした。
どんな時に「より強く認めてくれないと感じているのか」をカウンセリング聞いていると、お給料の話をされた時だったそうです。
お給料の話をする度に、「今年こそはきっと認めて少しくらい上げてくれるだろう」と期待すればする程に裏切られたような気持ちを感じていたそうです。
こんな時は、相手のポジションに立ってみると気づきが起きたりします。
今まで気づかなかったことや新しい解決策をご自身で見つけられるゲシュタルト療法を受けて下さいました。
Cさんが見つけた答えは、
「自分を全くみてくれていないと思っていたけど、上司は色々な事を考えてくれていたんだという事に気付けて安心した」
と言っていました。
この気づきに至る前に実はすごく大切なポイントがあります。
「自分の溜め込んでいた本音・本心を吐き出し切ること」
私自身もそうなんですが、ついつい大人げないから。などと自分の気持ちを抑え込んでしまうことがあります。
初めは、それでも対処できるのですが、だんだんと不満や愚痴が溜まって怒りになってしまったり、その場から逃げ出したくなったりする事が起きて、なかなか良好な関係の構築が難しくなることが起きてしまったりします。
本当に感じている感情は一旦吐き出して、スッキリとした方が心にモヤモヤを抱えず人と関わる事が出来ますよね。
モヤモヤしていると、相手に対して好意的に捉えることが出来なくなり、ついつい攻撃されているように感じたり、嫌味な言い方をしてしまったりすることが起きてしまったりします。
モヤモヤ頭がスッキリすると、本来持っている冷静な思考が戻ってきて、自分らしい考え方やお互いにとっての最善の関係を構築する事ができるのだと思います。
生きづらさの種類を知る
3人の方のケースのお話をご紹介させて頂きました。「生きづらさ」にはさまざまな理由とケースがあり、そのお悩みにあったアプローチが必要です。
人の数だけお悩みも違いますし、人の数だけ解決の仕方がある。と私は感じています。
自分は何に悩んでいるのかを知るだけでも、すごく安心しますよね。
そして、そのお悩みは大切な自分らしい価値感でもあると私は感じることがカウンセリングをしていると多く感じます。
人間関係を大切にする価値観をお持ちの方もいれば、仕事に対するプロフェッショナルな価値観を大切になさる方。寛ぎや心地よさを大切にされる方。みんな違っていて、みんな素敵です。
その価値観こそ自分らしさだったり、この先の未来に役立つ素晴らしい能力でもあるのです。
そもそも悩みというのは、大切に感じていることにしか起きませんから、悩んでいるということは、その物事に対して愛情があるという事です。
お悩みの渦中にいるときは、とても苦しくてお辛い気持ちになりますし、自分も人も信頼できなくなってしまうこともあるでしょう。
でも、その悩みこそ「自分らしさ」のヒントがたくさん隠れていますので、どうか今悩んでいるその事を大切に扱ってみて上げて下さい。
「生きづらさ」とは、自分は「こう生きたい!」という願いがあるから起きることで、その願いを叶えてほしい!という、もう一人の自分からのメッセージなのかもしれません。
今の生き方や考え方を変えてね。自分の価値観を大切にしてね。という自分への愛が悩みという形として起きているとしたら、その願いを叶えてあげられることは自己愛を育むことに繋がるのではないでしょうか。
一人一人違う価値観があるからこそ、クライアントさん自身で答えを見つけ、その答えを尊重し、解決できるようにお手伝いさせて頂きたいと思っております。
あなたにお会いできることを心よりお待ちしております。
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