共依存とは
共依存とは、互いに依存し合う関係の事を言います。
アルコール依存症の父親を支える母親や、DV・働かない・浮気性・ギャンブルなどの問題を抱える人を適切な方法で解決することなく、見て見ぬふりをしてしまったり、問題を悪化させてしまう事です。
1970年代アメリカでアルコール依存症の夫を支える妻たちの問題を援助している人から発祥された言葉です。
アダルトチルドレンと共依存問題は切っても切れない問題なのは、アダルトチルドレンは、アルコール依存症の下で育った子供という、アダルトチルドレンという言葉が生まれた当初の定義であることから、そのアルコール依存症を支える人が必ず関わるからです。
アルコール依存症の父親を持ち、それを支えている母親がいる。
家庭は機能不全を起こし、子どもは愛情不足になります。
現在ではアダルトチルドレンは、アルコールの問題だけではなく、機能不全家庭に育った子供たちという広義な意味でつかわれるようになりましたが、共依存者は機能不全を起こしている本人と同じくらい心の問題を抱えているという事です。
一見、問題を抱えている人が立ち直り上手くいけば、問題は解決するように見えますが、そこには深い関係性があります
共依存者の心理
共依存者は、依存者と居る事を周りから心配されたりして、本人も分かっていて、とても苦しいのに、その相手から離れる事が出来ない心理状態があります。
ではなぜ、依存者から離れられないのでしょうか…
実は、共依存側にも、劣等感や自己価値の低さ・自尊心の低さがあります。
「こんな彼を分かってあげられるのは私だけだ」
「彼にはいいところも沢山ある」
よく聞く言葉だと思いますが、その深層心理は、「こんなダメな私を愛してくれる人はこの人しかいない」という自己価値や自尊心の低さが関係しています。
共依存者の育成歴を聞くと、「親に愛されなかった。」「親がとても怖かった」「自分を尊重してくれなかった」という、とても悲しい幼少期があることがとても多いです。
「私なんて…」という自分を大切に感じられない心の問題が、問題のある人を支える事で、この人にとって私は必要な人である。と感じなくてはいられないのです。
本当は自分への価値を感じられなかったり、心の奥にある「見捨てられ不安」を紛らわせています。
共依存の特徴
- 自分の本当の気持ちや願望を押し殺してまで、相手に尽くそうとしてしまう
自分がボロボロになっても相手に尽くしてしまったり、そうしない事で満足感を得られなかったり、してあげられない事に罪悪感を抱きやすい。 - 相手が出来ることまでやってあげてしまう
私がしてあげる。と簡単にお金を貸してしまったり、洗濯・掃除・料理ありとあらゆることを全て一人でしてしまい。へとへとに疲れてしまう。 - 相手の苦しみや悲しみを共感し過ぎてしまい、それを助けてあげない事は悪いことをしたという罪悪感を感じやすい
辛そうな相手を過剰に守りすぎて、相手が乗り越える機会を与えられない。
例:「仕事が辛い」と言ってきたときに「私がしばらく稼ぐから辞めていい」と簡単に諦めさせてしまう。 - 相手が元気になったり、幸せそうだと不安になってしまう
元気になってきたり、問題を乗り越えたり、幸せな事を話されると「もう私は必要ないのでは…」と不安を抱えてしまう - いつも人よりも劣っていると感じてきた
仕事や学校でいつも自分のダメなところが気になり、自分を肯定することがなかった。
「あの人は、私より足が長い」「あの人は私より料理が上手」「あの人は私より・・・」が沢山あり、劣等感があり、自分を信じられない。 - 自分に自信がなく、なんでも相手に合わせてしまう
私の決断は間違うんだ。という価値観をもっている。幼少期に「お前はロクな事をしない」などと言われ続けてきたトラウマがあったりすると強くでる。 - 嫌と言ったり断ったりする事が怖い
頼まれごとをされたり、お願い事をされたときに「NO」ということで相手をがっかりさせてしまう。相手が困る顔を見たくない。嫌われるんじゃないかという恐れ。など、自分基準ではなく相手に基準を合わせてしまっている。 - 自分で決断ができずに何でも相手に合わせたり、任せてしまう
自分と相手の境界線が曖昧で、相手の感情が全てになってしまう。
例:相手の食べたいものを食べて、相手が幸せな事が私の幸せ - 現実逃避しがちで、問題に気づいていても見ないふり・なかった事にしてしまう
アルコールの問題を抱えていたとしても、「私が何とかするから大丈夫」「そんな事は誰にでもあること」と問題を過小評価したりなかった事にして、問題から目を背けて守ろうとしてしまう。 - 完璧主義で、白黒思考の傾向がある
完璧主義の人は、自分にそんな問題が起きている事を認めるのがとても耐えられない。
白黒思考の人は、信じた相手はどんなことがあっても100点で、そんなことは問題ではないと相手を信じ切ってしまい人の言葉が聞けなくなったり、思い込みが強くなりすぎて、妄想の中で生きてしまったりします。
などの傾向があります。
これらの傾向がある方は、共依存の傾向をお持ちの方かもしれません。
共依存に気付くのは難しい
共依存は自分ではなかなか気づきにくい面があります。何故なら、自分は支えている側であり、問題は相手にある。相手さえよくなれば…と思っていることが多いからです。
とても辛い状態にあると気付いてください。ボロボロになっている自分の心の声に耳を傾けてあげましょう。よく頑張ってきました。もう無理して人の為にならなくてもあなたにはそのままの自分で価値があります。
自分の為に、努力や愛情を使ってあげていいのです。
あなたがあなたの為に愛情を向けてあげられないのは、幼い頃、親や誰かの為に自分を我慢させなくてはいけなかった経験があるからかもしれませんね。
あなたを取り戻してあげることは、とても素晴らしいことです。
自分の気持ちに素直になる事や我慢する事を沢山学ばされてしまった経験があるのかも知れませんね。
「本当によく頑張ってきたね」と、そんなご自分をほめてあげて下さいね。
もしかしたら、本当は嫌だな…と沢山感じて来たのに、健気なあなたは、喜んでくれる顔を見たくて無理して頑張ったのかもしれない。誰かを喜ばせてあげてない自分はダメな自分だと恐れたのかも知れないですね。
我慢ばかりでは、幸せを感じる事が難しくなってしまいます。
幸せを人に伝えてあげるには、先ずはあなたを満たしてあげるのが一番の近道です。
美味しいお菓子を、誰かにあげるには、おいしいお菓子を食べてみる必要があるのと同じです。
自分だけが幸せになるのはいけない事だと、悲しい罪悪感があるのかも知れない。
怖い…と恐れている。心の傷にそっと触れてみてあげて欲しいと願います。
あなたにお会いできることを心よりお待ちしております。
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