自己受容とは?
自分を受け入れるために大切な4つのこと
「自己受容が大切」
そんな言葉を、これまで何度も見たり聞いたりしてきたのではないでしょうか。
けれど、いざ
自己受容とは何か
と聞かれると、少し曖昧に感じる方も多いかもしれません。
あなたは、自己受容と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
どんなイメージが湧いて、どんな感じがするでしょうか。
きっと、答えは人それぞれですよね。
それでいいのだと思います。
なぜなら自己受容とは、その人が何を受け入れる必要があるのか が一人ひとり違うからです。
私は、自己受容には大きく分けて
4つの「受け容れる」 があると考えています。
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思考
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感情
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経験
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欲求
この4つを受け容れていくことが、
本当の意味で自分とつながり、自分らしく生きることにつながっていくのです。
この記事では、この4つについて一つずつ、やさしく見ていきたいと思います。
自己受容とは、自分をそのまま認めること
自己受容とは、簡単に言えば
今ここにある自分を否定せずに認めること です。
それは、無理に前向きになることでも、
何でも好きになることでもありません。
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今こう考えている自分
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今こう感じている自分
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こんな経験をしてきた自分
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本当はこうしたかった自分
そうしたものを、
「あってはいけないもの」ではなく、確かに自分の一部なのだ
と認めていくことが、自己受容です。
1. 思考を受け容れる
思考は自分を守ってくれる守護者
まず一つ目は、思考の自己受容です。
思考とは、どう考えるかということ。
思考は、私たちを守るために働いてくれています。
たとえば、
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こうしたらうまくいくかな
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こうなったら困るかもしれない
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どうしたら安全だろう
-
この先どうなるだろう
そんなふうに、思考は常に先を考えながら、自分を守ろうとしてくれます。
ただ、あれこれ考えすぎてしまう時ってありますよね。
頭の中が忙しくなって、気づけば不安なことばかり考えてしまう。
そんな時、身体の反応を感じてみると、
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力が入っている
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呼吸が浅い
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落ち着かない
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いつも緊張している
ということに気づくかもしれません。
これは、思考が
「危険があるかもしれない」
と判断して、あなたを守ろうとしている状態です。
虐待や強いストレス、つらい経験があった方は、外部刺激に敏感になりやすく、常にリラックスしにくい状態になることがあります。
でも、たとえそうした大きな経験がなくても、私たちは日々たくさんのことを考えています。
恋愛でも、仕事でも、人間関係でも、思考は私たちに幸せも不安ももたらします。
ここで大切なのは、
思考を無理に止めようとしないこと です。
思考は、自分を守ろうとして働いています。
だから、それを否定したり抑え込んだりすると、
「もっと危険なのかもしれない」
とさらに働きを強めてしまうことがあります。
たとえば、返信が遅い時に
「忙しいのかもしれない」
「嫌われたのかもしれない」
と考えることがありますよね。
どちらも、心の痛みを和らげようとしたり、最悪に備えようとしたりする、思考なりの守り方なのです。
もしマイナス思考が出てきたら、
「またこんなこと考えてる」
と責めるのではなく、
「守ってくれようとしてるんだね。ありがとう」
と声をかけてみてください。
それだけでも、少し落ち着くことがあります。
2. 感情を受け容れる
感情は私らしさを伝えてくれる純粋な自分
自己受容の中でも、私は
感情を受け容れることが何より大切 だと感じています。
人には、喜怒哀楽さまざまな感情があります。
そして私は、その感情はすべて
愛から派生したもの
だと考えています。
嫉妬、怒り、悲しみ、悔しさ、不安、恐れ。
こうしたネガティブと呼ばれる感情は嫌われやすいものですが、
実はどれも、最初に「大切に思う気持ち」があるから生まれるのです。
たとえば、子どもがお母さんに怒る時。
それは、お母さんに分かってもらいたい、理解してもらいたい、つながりたいという気持ちがあるからです。
どうでもいい相手には、そこまで怒りませんよね。
つまり、怒りの奥には
分かってほしいという愛
があるのです。
だからこそ、感情を否定することは、
自分の愛や自分らしさを否定することにもつながってしまいます。
ただし、ここで大切なことがあります。
私たちは子どもではなく、大人です。
大人は、自分の感情を相手にそのままぶつけるのではなく、
自分で面倒を見ること が必要です。
怒りをそのまま相手にぶつければ、自分も相手も傷ついてしまいます。
だから、感情を受け容れることと、感情をそのまま行動にすることは違います。
感じている感情を正しく受け容れ、
自分にとっても相手にとっても健全な形で扱っていくこと。
それがとても大切です。
もし、
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自分の感情が分からない
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気持ちをうまく表現できない
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本当は悲しいのに怒りとしてしか出てこない
ということが起きている場合、内在性解離 が関係していることがあります。
内在性解離とは、感情を感じてもそれを受け止める場所がなく、辛すぎるために、自分から切り離して保管してしまう心の動きのことです。
怒りは二次感情であることが多く、その奥には本当の悲しみや寂しさ、不安が隠れていることがあります。
その本当の感情とつながり直すことで、安心感が生まれ、自己表現も自然にできるようになることがあります。
もし今、そうした状態に気づいたなら、
自分にこう伝えてあげてください。
「頑張って生きてきてくれて、ありがとう」
それだけでも、心は少しほっとするかもしれません。
3. 経験を受け容れる
過去の経験は人生の足跡
私たちの今は、過去の経験によって作られています。
どんな経験も、今の自分の学びや知恵につながっています。
もちろん、
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あの時こうじゃなかったら
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どうしてあんなことをしてしまったんだろう
-
あんな過去はなかった方がよかった
そう思ってしまうこともありますよね。
けれど、経験を嫌ったり否定したりし続けると、
自分自身を信じることが難しくなってしまうことがあります。
辛い経験や悲しい経験だったとしても、
そこには必ず学びや意味がある。
私はそう感じています。
たとえば、
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学歴や職歴が気になる
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昔の失敗が忘れられない
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会話の中での失態を何度も思い出す
そうやって過去の経験を責めてしまうことがあります。
それが一時的なら自然なことですが、いつもそうなってしまうと、とても苦しいですよね。
過去の自分を許したり、認めたりすることで、
そこにあった悲しみだけでなく、努力や成長、気づきや喜びにも気づけるようになることがあります。
どの経験も、今のあなたにつながっています。
そして、その経験があったからこそ、今の学びや優しさや深さがあるのだと、私は思っています。
4. 欲求を受け容れる
欲求は自己実現と幸せの鍵
最後は、欲求の自己受容です。
欲求というのは、
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本当はこうしたかった
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本当はこうしてほしかった
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愛されたかった
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分かってほしかった
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守ってほしかった
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慰めてほしかった
そんな本当の望みや希望のことです。
でも、欲求は長いあいだ抑えていると、自分でも気づけなくなってしまいます。
なぜかというと、最初はあった欲求が、何度も叶わない経験をすると、
諦め に変わってしまうからです。
たとえば、
「寂しいから抱きしめてほしい」
という欲求があったとします。
最初は、その欲求を叶えようと頑張ります。
でも、何度も叶わないことが続くと、
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欲しいと思うほど苦しい
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願うほどむなしい
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期待するほど傷つく
そんなふうに、欲求が苦しみに変わってしまいます。
すると心は、
「もう欲しがるのをやめよう」
と選択するようになります。
これが、欲求が分からなくなるメカニズムの一つです。
その結果、
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自分を信じられない
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何を選べばいいか分からない
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自分の決定がいつも不安
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何が幸せか分からない
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他人の意見に流されやすい
といったことが起こることがあります。
子どもなら持っていて当然の欲求が、無視されたり、叱られたり、否定されたりしてきた方は、
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自分一人でしっかりしなければいけない
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こんな私は必要とされない
という価値観のもとで生きてしまい、とても苦しくなってしまうことがあります。
でも、その欲求をもう一度解放し、
受け容れられる安心感 と
満たされる感覚
を感じられるようになると、本来の自分らしさが少しずつ戻ってきます。
自己受容するメリット
自分を信じ、自分を愛することにつながる
この4つの自己受容は、
※TIP(Therapy that Integrates Parts)
という統合ワークを通して深めていくことができます。
※TIPとは、タッピングを使いながら、分裂してしまっているパートをやさしく統合していくセラピーです。
自分を何の検閲もなく、素直に感じられる。
この体験は、言葉で言い表すのが難しいほど素晴らしいものです。
自分をありのまま受け入れることは、
自分を信じること でもあります。
そして、自分を信じることは、
自分を愛すること にもつながります。
信じること。
自由にしてあげること。
赦すこと。
これは、無条件の愛がなければできないことですよね。
幼い頃、私たちが本当に求めていたものも、
親からの無条件の愛だったのではないでしょうか。
もし今、その無条件の愛で自分を満たすことができたなら。
どんな未来になるでしょうか。
どんな感覚で、どんな言葉を使って、どんな自分でいられるでしょうか。
きっと、今までとは少し違う自分に出会えるはずです。
自己受容が難しいのは、今まで知らなかったから
心の傷は、放っておくだけでは癒えにくいことがあります。
そして、人は経験を通してしか学べないことも多いですよね。
だからといって、今までの経験が悪かったということではありません。
むしろ、その経験を通して私たちは愛を学んでいるのだと、私は思っています。
愛が感じられなくて苦しかったからこそ、
愛とは何かを考え、掴もうとすることができる。
それもまた、一つの大切な歩みです。
まずは、これまで頑張ってきたご自分に、
「辛い中、頑張ったよね」
と伝えてあげること。
それだけでも、とても大きな自己受容になります。
人を信じられない時、そこには必ず
自分に対する怖さ
が隠れています。
私自身も、
「私なんて愛されるはずがない」
という信念を長く持って生きてきました。
だから人が怖かったし、信じられなかったし、頼ることもできず、強がって平気なふりをしてきました。
そして、そんな自分をずっと責めてきました。
でも今は、その経験が大きな学びになっています。
「自分に素直に生きることが怖い」
そう感じるのは、過去にそう感じるしかなかった経験があるからです。
今できないのは、あなたが悪いのではなく、
それ以外の安心をまだ知らないだけ
なのです。
まとめ|自己受容とは、自分のすべてに居場所をつくること
自己受容とは、ただ前向きになることでも、自分を好きになることでもありません。
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思考を受け容れる
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感情を受け容れる
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経験を受け容れる
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欲求を受け容れる
この4つに少しずつ居場所を作っていくことが、自己受容につながっていきます。
自分を受け容れられるようになると、
安心感が生まれ、
自分を信じられるようになり、
自分らしい自己表現が少しずつできるようになります。
そしてその先に、
人とのつながりの中でも安心できる未来が広がっていくのだと、私は信じています。
受け容れられる喜びや安心感を感じていただける、
そんな未来へのお手伝いをさせていただけることを、心より楽しみにお待ちしております。
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心の 陽のあたる場所
山梨県中巨摩郡昭和町清水新居959−1
